症状と疾患についてSymptom

過活動膀胱 

男性、女性を問わず、泌尿器科の症状として、患者さんが一番困るのは頻尿、特に夜間頻尿と言われています。その原因として最も多いのが過活動膀胱です。症状が進むと、尿が我慢できないと言った尿意切迫感やさらに進むと尿が漏れるという尿失禁を伴ってきます。脳、脊髄の病気、糖尿病などと関連することもありますが、ほとんどの場合は加齢に伴うものです。尿検査で異常がなければ簡単な問診を行って診断します。治療は症状に応じて、副作用をみながら抗コリン剤、β-3刺激薬などを使い分けます。

前立腺肥大症

頻尿の原因として男性特有の疾患になりますが、前立腺肥大症があります。残尿感、尿の勢いが悪いといった症状も伴います。検査としてはPSAという前立腺腫瘍マーカーの採血を行い、超音波で前立腺の大きさを計測し、尿流量検査で尿の勢いをみる検査を行います。PSAが4以下であれば癌は否定的なので、前立腺肥大症としての治療を行います。症状が軽症~中等症であればα-1ブロッカー、PDE5阻害剤、5α還元酵素阻害剤などの薬物治療を行います。万が一、症状が重度で残尿が多い場合は手術が必要となるので、手術を行っている病院を紹介します。

前立腺癌

PSAが4以上で癌が疑われる場合はMRIで画像診断を行い、癌腫が疑われる場合は生検という組織検査が必要なり、生検ができる病院を紹介します。治療としてホルモン治療が選択された場合は当院でもリュープリン注射や内服薬での治療に対応できます。3ヶ月毎に採血を行ってPSA値をモニターして治療効果をみて、必要な場合は治療法の変更を検討します。

膀胱炎をはじめとする尿路感染症

尿の通り道である尿路に細菌が入ると尿路感染症を引き起こします。特に女性の場合は腸内細菌(大腸菌)による膀胱炎がよく起こります。症状としては排尿時痛、頻尿、残尿感で、ひどい場合は血尿を伴います。また、さらに上部の腎盂にまで菌が入ると腎盂腎炎となり、高熱、腰背部痛といった強い症状となります。尿培養を行って原因菌を同定した上で、いずれも抗生物質で治療を行います。また、男性では排尿時痛を伴う尿道炎、下腹部不快感、発熱を伴う前立腺炎、陰嚢内容の腫大、疼痛を伴う精巣上体炎がみられます。性活動による淋菌性、クラミジア性尿道炎(STD)には、それぞれ特有の抗生剤を用いて治療を行います。

尿路結石

尿中にはカルシウム、シュウ酸、尿酸といった結石の成分が含まれていて、水分の不足などにより、尿が濃縮されるとこれらの物質が結晶化してさらに大きくなると腎臓で結石が形成されます。結石が尿管に落ちてくると激しい痛み(疝痛発作)が起こります。結石の移動に伴って、痛みは背部から側腹部、下腹部へと次第に下がってき、膀胱に差し掛かると残尿感、頻尿といった症状に変わっていきます。5mm以下の小さな結石であれば、内服薬と水分摂取で、自然に排石するのを待ちます。5mm以上の大きな結石であれば砕石が必要となるので、治療が可能な病院を紹介します。

ED(勃起不全)

男性機能の低下でお困りの方には、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルの処方を行っています。自費診療となります。また、ニトログリセリンとの併用はできないのでご注意ください。

膀胱鏡検査

膀胱鏡検査

超音波検査

超音波検査